松重見聞録
愛おしくなるねぇ、線香花火。
第1弾で訪れたのは、松重豊の出身地・福岡県にある「筒井時正玩具花火製造所」。数少ない作り手として“国産の線香花火”を守り続ける夫婦が今に伝える、線香花火の誕生秘話や隠された魅力とは?松重も実際に花火作りに挑戦したほか、夫婦が始めたという古民家宿に招かれ…
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全国でも珍しい「線香花火」の製造所へ
福岡県南部に位置するみやま市。田園地帯の広がるのどかな町で、古くから花火が盛んに作られてきた九州有数の花火の産地だ。今回は、国内でも珍しい“線香花火”を作っている製造所「筒井時正玩具花火製造所」を訪れた。
線香花火、国産は流通量のわずか1%未満
手持ち花火の中でも根強い人気を誇る線香花火。花火で遊んだ時は締め線香花火をするという人も多いのではないだろうか?しかし、実は流通しているもののほとんどは中国製。価格競争や原料不足の影響で、国内の作り手はわずか3社にまで減ってしまっていた。
筒井夫妻が手がける“2つの線香花火”
筒井時正玩具花火製造所の3代目・筒井良太さんと妻・今日子さんが手がけるのは、2種類の線香花火。一般的によく知られている紙の線香花火は、江戸時代に紙漉きが盛んだった関東で生まれたもので、正式名称を「長手牡丹(ながてぼたん)」という。一方、関西では米作りが盛んだったことから、稲藁の芯に火薬を塗りつけた「スボ手牡丹(すぼてぼたん)」という線香花火が作られていた。筒井さんは全国で唯一、2種類の線香花火を作り続けている。
線香花火作りを体験
製造所では紙の線香花火を作る体験ができると聞き、松重もさっそく挑戦。火薬の配合や量、紙のより方など、こだわりが随所に込められていたが、中でも松重が気になったのは火薬を計量するためのスプーン。実はあるものを使って職人が自作したというが、その正体はー?
製造最盛期は真冬?スボ手牡丹の製造現場にも
取材に訪れた1月はスボ手牡丹の製造最盛期。花火=夏のイメージだが、火薬をのりで溶かして稲藁に塗りつけるこの花火は、空気の乾燥している冬の時期にしか製造ができないそう。製造風景も使用する道具も、ここでしか見られない貴重なものだ。
職人の新たな挑戦は「古民家宿」… !?
築100年の古民家をリノベした体験型のお宿
線香花火を守り続けてきた夫婦が、今年、古民家をリノベーションして作った一棟貸の宿をオープンする。一歩足を踏み入れると、そこには築100年とは思えないほど素敵な空間が広がっていた。実際に松重も宿泊して、そのこだわりを体感することにー。食事や宿泊者限定の体験プランなど、魅力をたっぷりリポートする。
花火職人が「宿」に行き着いた理由
でもなぜ、全く業態の違う宿を作ろうと決めたのか?きっかけは、線香花火のストーリーを伝えようと全国をめぐってきた筒井夫妻ならではの気づきだった。1つの伝統を守り残そうとする職人たちの思いと、実は知らなかった線香花火のアレコレ、見ればきっと花火の光が愛おしくなるはずだ。
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