松重見聞録
僕の中で大きな革命が起きた。
今回の舞台は和歌山県、全国的にも珍しい“おろし金職人”の工房を訪ねる。イチから手作業で作られた「紀州新家」のおろし金は、ミシュラン料理人も絶賛するほど味に違いが出るという。おろし金に隠された秘密と職人の異色の経歴に迫る。
全国にたった数人。希少な“おろし金職人”の元へー
和食界で話題となっている究極のおろし金があると聞き向かったのは、和歌山県北東部の橋本市。どの家庭にも1つはある「おろし金」は日本発祥の調理器具だが、実は専門の職人というのは数少ない。そんな中、おろし金作りに人生をかけているのが「紀州新家」の新家崇元さんだ。
「おろし金」は江戸時代から形が変わらない?
江戸時代の1700年代には、すでに現代の形で使われていたと言われているおろし金。今はほとんどが機械で作られているが、新家さんはベースとなる銅板の加工から目立て(刃を作る作業)まで全てを1人で、そして手作業で行う。
料理に合わせた100種類以上のおろし金
工房内にはこれまで新家さんが製作してきたおろし金がずらり。その数は実に100種類以上にのぼるという。新家さんは独自に研究を重ね、目(刃)の大きさや幅、並び方によって、素材の味や食感が変えられることを発見。料理に合わせたおろし金を次々に開発しているのだ。
異業種から職人へ転身
実は新家さん、30年間建築士として働いていたが、5年前にふと思い立ちおろし金職人の道に入った。師匠はいなかったため、独学で何千回と目立てを練習したという。その甲斐あって、製作1年目で「グッドデザイン賞」を受賞。現在では料理の域を飛び越え、まるで絵画のように仕立てたおろし金も生み出している。
本当に大根おろしの味は変わるのか?
松重は4種類のおろし金を使って1本の大根をすり比べてみることに。味や食感は本当に変化するのか?大根をするときの音の違いにも注目だ。
いざ、職人技に挑む
違いを味わったあとは、おろし金としての命を吹き込む「目立て」作業に松重も挑戦。俳優業とは別に、一時職人仕事も経験したことのある松重。身をもって、その技術の高さを体感する。
ミシュラン料理人も絶賛!プロが認める理由とは
旅の締めくくりは、紀州新家のおろし金に惚れ込んだ料理人の店へ。おろし金職人と割烹職人の技が織りなす料理を味わう。このおろし金がなぜプロたちを唸らせるのか、その理由も明かされる。
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