ディレクターズコラム
【中央線クラフトビール巡り】苦手な人にも勧めたい!定番3種飲み比べ
JR中央線沿いは、小規模なビール醸造所が点在する東京屈指の「ビアエリア」。三鷹駅近くでは「とにかくクラフトビールの良さを広めたい!」というビール愛にあふれたブルワリーが、今日もこだわりの1杯を醸している。
CONTENTS
OGA BREWING (三鷹)
OGA BREWINGは、三鷹駅から徒歩15分ほど。落ち着いた住宅街の中にあるマイクロブルワリーだ。2018年に醸造を始め、これまでに300種類以上のビールを世に送り出してきた。
醸造所の顔!定番3種を飲み比べ
OGA BREWINGの定番ビールはフラッグシップの「三鷹ペールエール」、小麦を使った「三鷹ウィートエール」、苦味が特徴の「吉祥寺IPA」の3種類だ。
三鷹ペールエール
苦味と甘みのバランスが良く、麦芽の香ばしい風味も感じられる。温度帯をあげながら飲むのもおすすめとのことで、時間をかけて飲んでみるとより味わいが濃くなり、友人とおしゃべりを楽しみながら飲みたい1杯。
苦味……★★☆☆☆
コク……★★★★☆
三鷹ウィートエール
原料に小麦を足し、まろやかな風味を楽しめるビール。それでいて後味がすっきりとしていて、ホップもふわっと香る。筆者は正直小麦ビールがあまり得意ではないが、一口、また一口とあっという間に飲んでしまった。
小麦感………★★☆☆☆
まろやかさ…★★★★☆
三鷹ウィートエール
ホップの香りと苦味に特化したIPAは、アルコール度数も高く飲みごたえもしっかりしたビールも多いが、このIPAは苦味がありながらも比較的ライトな口当たり。喉を通過した後に爽やかな心地良い苦味が残り、ごくごく飲み進められるビールだった。
苦味……★★★★☆
爽快感…★★★★☆
飲む人ファーストのビール作り
「どれもゆっくりと楽しめて、あまりビールを飲まない人でも飲みやすい設計になっています」と、オーナーの小笠原恵助さん。自分たちのビールを「クラフトビールの中では良い意味で個性のない方」と分析している。その理由は、OGAのビールをきっかけにクラフトビールに興味を持ってもらいたいからだという。
これまでに醸造したビールの約半分は、アニメやスポーツチームとコラボしたもの。OGA BREWINGが醸造しているのは裏のラベルを見ないと気づかないが、「名前を売りたいわけじゃなくて、ビールを飲んでもらいたいだけだから」なのだそう。
広げたい だから作りたい
小笠原さんは、「昔から飲みに行くと9割9分9厘ビール」という、大の“ビーラー”。そんな彼に転機が訪れたのは15年ほど前。「箕面ビール」(大阪府箕面市)のWIPA(ダブルアイピーエー)を飲んだ際、「口当たりが優しいのに味わい深く、9%という高アルコールながらしっかり飲み進められる。こんなビールがあったのか!」と衝撃を受けたそう。それ以来、全国各地のクラフトビールを飲み歩くようになり、どんどんその奥深さにはまっていったという。デザイン業の経験があり、当時から(現在も)広告代理店を経営していた小笠原さん、もっと多くの人にクラフトビールを知ってもらいたいと、頼まれてもいないのに「こっちの方が売れる!」と、醸造所にラベルのデザインを持ち込んで回っていたのだそう。
その後は、クラフトビールの美味しさを広めるためビアバーを経営するなどして業界とのつながりを深くするうち、「お店に自分が作ったビールがあったら嬉しいだろうな」と考えるようになり、ついに自分で作るところまでたどり着いた。
「常に新しい味わいが生まれるクラフトビールは、年代を問わずみんなが同じ目線で驚き、共有ができる。その中に自分の作ったビールがあったら楽しいじゃないですか。」と小笠原さん。
醸造量が安定してきた現在は全国の飲食店や販売店にも出荷しており、その数は400店舗ほどに拡大中。三鷹産の大麦・小麦と三鷹の地下水を使ったビールも醸造中だ。
今後の目標は、定番ビールを中心にさらに醸造量を増やし、クラフトビールのファンをさらに増やしていくことだという。あまりクラフトビールを飲んだことがないという人も、ぜひOGA BREWINGのビールから試してみては?
OGA BRREWING
東京都三鷹市下連雀4-1-16
火曜定休