松重見聞録
吸引力がある。
今回の舞台は大阪府堺市。堺は古くから貿易で栄えた港町であるが、実は料理人御用達の「刃物の街」でもある。堺の刃物はなぜプロに愛されるのか?そして「切れ味100%超え」という究極の包丁にも出会い…?100年以上の歴史がある専門店で、包丁に隠された秘密に迫る。
CONTENTS
“おしゃれな”老舗刃物店
松重が訪れたのは、堺に本店を構える「實光(じっこう)刃物」。明治33年の創業以来、製造一筋で様々な包丁を世に送り出してきた老舗刃物店だが、2018年からは自社の販売店舗を設け(2024年7月時点で全9店舗)、魅せ方にこだわった対面販売を行っている。老舗でありながらも、現代風のスタイリッシュな外観には、松重も「包丁を作るにしてはおしゃれな佇まいですね〜」と一言。
若者を惹きつける包丁づくり
本店2階のショールームには、艶のある白い柄の包丁や刃に模様が入った包丁など、およそ100種類が並ぶ。中には日本刀をイメージして作ったという包丁も!
新しいデザインに取り組んでいる理由について實光社長は「若い人に来てもらいたいから」と話す。実際、このショールームや包丁に魅せられて働きたいと志願する若者も多いそうだ。
料理人が愛するワケ
料理のクオリティを上げる「片刃」
堺で作られる「堺打刃物」は国の伝統的工芸品に指定されており、実に料理人の約9割が使っていると言われているのだが、その秘密は刃の形にある。
一般的に家庭で使われている包丁は「両刃包丁(洋包丁)」といい、刃の断面がアルファベットの「V」になっている。国内では他に新潟県三条市や岐阜県関市が包丁の生産地として知られているが、ここでも両刃包丁が多く作られている。
一方堺で作られる刃物は、断面がカタカナの「レ」のように見える「片刃包丁(和包丁)」が主流。片刃包丁の方が刃先がより鋭いため、繊維や細胞を潰さずに切ることができ、食材の味をより繊細に引き出すことができるのだ。
こうした理由などから、堺の包丁は料理人の間で高い評価を受けており、海外からわざわざ買い付けに来る料理人もいるほどなのだそう。
松重も試し切りでその実力を確かめることに。なんと手を添えず、片手だけでトマトが切れるという。果たしてその結果はー?
金属の塊が包丁になるまで
「堺打刃物」という言葉の通り、堺の包丁づくりは鍛冶から始まる。鍛冶の工程は包丁の土台を作るためのもので、硬度の違う鋼と鉄を合わせて繰り返し熱しては叩いていく。そうすることで、硬くしなやかな刃に仕上がるのだという。金属の塊が刃物の形になるまでにかかる時間は約20分。みるみるうちに形が変わっていく様子はぜひ本編でチェックを!
切れ味“100%超え” 究極の包丁を体感
包丁のベースが出来上がったら、続いては研ぎ。複数の研ぎ機を使い分けながら、少しずつ刃先を鋭くしていく。その後、刃に名前を刻んで持ち手を付けたら1本の包丁が完成する。
通常はここで納品となるが、ここから切れ味を究極まで上げる「本刃付け」という作業があるという。實光刃物ではそれを施すと、「切れ味が100%を超える」というのだが、どんな作業なのか?そしてその包丁の切れ味とは?包丁を極めた職人が見せる「スゴ技」も登場。
ラストはおいしく締めくくり
包丁づくりを一通り見たところで、最後に社長から「当社の包丁を使って料理を作っているお店に食べに行ってみてください」との提案が!堺で大人気の定食を堪能するとともに、実際に實光刃物の包丁を使っている料理人に包丁の使い心地を聞いてみると…?ぜひ最後までお見逃しなく。
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