【4番札】都内最大級の銭湯は都内最“幸”級だった

ディレクターズコラム


【4番札】都内最大級の銭湯は都内最“幸”級だった

初心者サウナーが、お風呂屋さんのおすすめサウナを数珠つなぎで巡る企画。第4弾は都内最大級と言われる銭湯へ。「都内最大級といっても銭湯でしょ、さすがにそこまで…えっ!お風呂広っ!サウナ広っ!全部広っ!」ついに初心者サウナーも、東京の楽園を見つけてしまった。


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スーパー銭湯を超えたハイパー銭湯?!

JR山手線の鶯谷駅から歩くこと約3分。向かったのは「ひだまりの泉 萩の湯」。この施設を教えてくれたのは、3か所目に取材した「寿湯」店主の長沼亮三さんだ。萩の湯のオーナーは亮三さんのお兄さんで、「都内最大級、最集客銭湯です。こんな銭湯を作りたいとイメージする人は何人もいますが、作る勇気があるのはアニキだけです!!」と話していたので、大きい施設なんだろうな〜とは思っていたが、到着すると…大きくそびえ立つマンションの下に「萩の湯」の看板があった。

2階のロビーに上がり、券売機でチケットを買う。まるでスーパー銭湯のような雰囲気なのに、入浴料は520円と銭湯価格だ(サウナは平日300円、土日祝日400円の追加料金が必要)。浴場は3階が男湯、4階が女湯と1フロアずつに分かれていて、エレベーターも完備。ロビーと同じ階には食事処もあり、お風呂上がりも楽しめそうだ。コスパで言ったらスーパー銭湯を超えた“ハイパー銭湯”なのでは?!

とても銭湯の番台とは思えない、綺麗で明るいロビー

経営ノウハウ活かし大胆リニューアル

萩の湯が今の形になったのは2017年。老朽化を主な理由に、現オーナーの長沼雄三さんが大掛かりなリニューアルに乗り出した。萩の湯はそれまでも賃貸住宅と合わさったビル型銭湯だったそうだが、浴場は1フロアのみ。リニューアルでも両親は、お風呂は1フロアにしてあとは賃貸マンションにしようと考えていたが、雄三さんには「工夫して良い施設が作れれば、きっとお客さんが来る」という自信があったという。

オーナーの長沼雄三さん

それを裏付けていたのが、寿湯の経営経験だ。今は弟が店主を務めているが、2001年に雄三さんが親戚から経営を引き継いだ。当時は1日の来店者が200人を切るくらい。しかも年々減少傾向にあった。
「銭湯をやり続けるなら改革が必要だ」そう感じた雄三さん、外から中の様子が見えるように窓を設置したり、古くなっていたお風呂場も新しくしたり、何時まで営業していてどんな施設なのかが一目でわかるような情報を店頭に掲示したり、と様々なことに取り組んだ。それまで銭湯では珍しかったフリーシャンプーの設置や有料でのタオルの貸し出しなど、ソフト面にも気を配った。露天風呂を増設したことも好評で、客は右肩上がりに増えていったという。

♨︎寿湯の記事はこちら→【3番札】露天風呂にアトラクションのような水風呂も!サウナーからの視線も熱い東上野の銭湯

萩の湯は脱衣所も広々!

広い施設だとその分接客や掃除などのスタッフの回しも大変になるが、ここでも寿湯でのスタッフ繰りの経験を生かすことができた。こうして「萩の湯」大規模リニューアルの狙いは的中。今では1日平均1000人超という、都内で最多規模の集客数を誇る銭湯となっている。

萩の湯が楽園なワケ

オーナーに聞いた萩の湯の推しポイントは、やはり広さと快適さ。早速階段を上がって浴場へと向かい、扉を開けると一番に感じたのは「お風呂広っ!」だった。さんざん「広い」というワードを耳にしていたが、それでも驚くくらい広い。浴槽は日替わり湯や炭酸泉など、水風呂を含め5種類。一番広い浴槽にはジェットバスや電気風呂などもあり、お風呂だけでも十分満足できそう。

銭湯ではシャワーが固定されている場合が多いが、ここはホースのついたシャワー。個人的には嬉しいポイント。
露天風呂も広い〜!熱すぎずぬるすぎずで永遠に入っていられそうだった…

そしてサウナは…「やっぱり広っ!」階段式のドライサウナで、一度に20人は余裕で入れる広さだ。筆者はサウナに入っている時、そこそこ狭くてもあまり他人が気にならないタイプだが、ここならさらに他人を気にせず余裕を持って入れると感じた(とは言いつつ、サウナ室での常連さんとの出会いも大事にしたいと思っている)。

女湯には6人ほどが入れる塩サウナもあり、程よい蒸気の中で体に塩をすり込めば出る頃にはツルスベ肌になれる…!

男湯の水風呂には富士山が!

室内にも座れるスペースが設けられているが、露天風呂スペースで外気浴を楽しむこともでき、とことん至れり尽くせりな施設。都内にこんな楽園があったとは…。また一つ、サウナ経験値が上がった筆者なのであった。

萩の湯オーナーのおすすめは?

取材の最後に、萩の湯オーナー・雄三さんのおすすめを聞いてみると…「台東区は銭湯の数が多いので、どこも切磋琢磨していてクオリティが高いです。『湯どんぶり栄湯』さんとか」
早速「湯どんぶり栄湯」のHPを覗いてみると、天然温泉にオートロウリュなど、何やら魅力的な文字が…。ということで、次回は湯どんぶり栄湯を取材させていただくことに!次の記事もお楽しみに♨︎

ひだまりの泉 萩の湯

東京都台東区根岸2-13-3
朝湯:6:00~9:00
昼湯:11:00~25:00
https://haginoyu.jp/