ふくしま「おいSeaFood」
“浜の母ちゃん”直伝!常磐ものを絶品家庭料理で
難しそうに見える魚料理でも、調理のポイントを押さえれば家庭でも簡単に美味しくいただける。福島県いわき市で漁業に携わる女性たちに、常磐ものの魚介類をふんだんに使った家庭料理を教えてもらった。[Presented by 水産庁]
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漁師の仕事を支える女性たち
料理を教えてくれたのは、福島県漁協女性部連絡協議会のみなさん。漁港での魚の仕分けのほか、イベントで来場者に魚料理を振る舞ったり、料理教室を開くなどして常磐ものの美味しさを広める活動も行っている。
会長の久保木幸子さんは、いわき市久之浜の漁師の家庭に生まれ、子どもの頃から漁の手伝いをしてきたという。その後、市内の沼ノ内地区の漁師と結婚し息子も漁師になった。生活には常に常磐ものがあり、それらを使った料理歴も50年以上という大ベテランの“浜の母ちゃん”だ。
常磐ものを味わう料理4品
今回教えてくれたのは、冬に旬を迎えるホッキ貝、カナガシラ、ヒラメ、アカムツを使った料理4品だ。ここでは調理のポイントを紹介する。
貝の旨みたっぷり ホッキ飯
弾力があるホッキの身と旨みエキスがしっかり染み込んだお米は箸が止まらない美味しさ!
ホッキは貝の開き口を水平にして上下に貝柱があるため、包丁の刃を差し入れて2つの貝柱を切る。すると口が開くので、貝殻に沿うようにして包丁を入れ、身を殻から外す。身の中心に切れ込みを入れ、内臓を取り出して中をよく洗う。
むき身をボウルなどに入れておくと、白く濁った貝のエキスが染み出してくる。このエキスはホッキの旨み成分たっぷりで、味の決め手になるので捨てずにとっておく。
一口大に切る際は、ホッキの灰色っぽい(=加熱すると赤くなる)部分が全ての切り身に行き渡るようにすると、出来上がりが鮮やかになる。
ホッキの身がピンクに色づいたら、煮汁のみ炊飯器に加えて炊飯する。米が炊き上がったら分けておいたホッキの身を入れ、蓋をして10分ほど蒸らす。ホッキを後入れすることで、硬くなりすぎず程よい弾力を楽しむことができる。
ふわふわ食感 カナガシラのつみれ汁
イベントでも大好評の味。かつてはサンマのつみれ汁がイベントの定番だったが、不漁が続いているため、その代わりとして編み出された汁物だ。
カナガシラの身を細かく刻む際は、チョッパーを使用すると便利。つみれの素ができたらポリ袋に入れ、一口大に絞り出すようにすると楽に形成できる。
具材は絹ごし豆腐がおすすめ。食べる直前に刻んだネギを乗せるとより美味しい。
シンプルな味付けが決め手 ヒラメの唐揚げ
常磐ものを代表するヒラメは、地元にとっても馴染みの深い魚。地元では刺身で味わうことも多いが、火を通すと刺身とは違うふわっとした食感が楽しめる。
ヒラメは5cmほどの幅でそぎ切りにする。ポリ袋に片栗粉と塩・こしょうを混ぜておき、そこに切ったヒラメを入れてよく振れば、まんべんなく衣をつけることができる。
揚げる時間は2〜3分。衣はカラッと、実はふわっとした食感になる。淡白な味わいなので、お好みでポン酢やわさび醤油を付けても美味しく食べられる。
とろける脂がたまらない アカムツの刺身
ノドグロの名称でも知られるアカムツ。北陸のイメージが強いかもしれないが、実は福島県沖でも水揚げされる。脂の乗った身はとろけるような食感で、刺身を醤油につけると脂が表面に浮いてくるほど。アカムツの甘味を感じられる贅沢な一品だ。
薄いそぎ切りにして皿に盛り付ければ、食卓がパッと華やかになる。
旬の常磐ものを食卓に
旬の常磐ものは、首都圏では豊洲市場のほか、各地のスーパーなどでも出会うことができる。ぜひ美味しい常磐ものを食卓にも取り入れてみてはいかがだろうか。